A04:株式会社インフォマート(2024年度レポート)

活動報告(令和6年度年次レポートより)
1)株式会社タノムと資本提携し、グループ会社化(受発注・販促効率化ツール「TANOMU」の概要)
① 受発注・販促効率化ツール「TANOMU」の概要
「TANOMU」は、飲食卸業界向けに開発された受発注・販促効率化ツール。このサービスは、食品卸売業者と飲食店の間での受発注業務をデジタル化し、効率的に管理することを目的としている。具体的には、PCやスマートフォンを使用して、電話やFAXに代わる注文の窓口を提供し、業務の効率化を図ることが出来る。
主な機能
- 受発注管理: TANOMUは、受注を一元管理し、業務ミスを削減する。これにより、従来の電話やFAXでの受注に伴うトラブルを回避できる。
- 販促機能: 新商品や特価品の案内を、LINEを通じてリアルタイムで配信できる機能があり、顧客へのアプローチを強化出来る。これにより、売上の向上が期待出来る。
- カスタマイズ性: 受注機能は、各業者の運用に合わせたカスタマイズが可能で、注文締切時間や納品不可日の指定など、細やかな設定が出来る。
サービス開発・提供・普及の背景
「TANOMU」は、従来のアナログな受注業務に多くの時間を費やしている食品卸業者のニーズに応える形で開発された。特に、新型コロナウイルスの影響で非対面営業の必要性が生じたことを契機として、卸業者等のデジタル化の重要性の認識が増していることが普及を後押ししている。
企業情報
「TANOMU」を運営する株式会社タノム(以下「タノム」)は、2019年に設立され、従業員数は約20名。業務支援SaaSとして、食品業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献している。
② 資本提携の概要
- 契約締結日: 株式会社インフォマート(以下「インフォマート」)とタノムは、2021年2月4日に資本業務提携契約を締結。この提携目的は、食品卸業界における受発注業務デジタル化の推進。
- 提携の背景: 新型コロナウイルスの影響で、リモートワークやデジタル化のニーズが高まる中、食品卸業界では依然として電話やFAXによる受発注が主流であり、業務の効率化が求められていた。この状況を受け、インフォマートはタノムの技術を活用し、業界全体のデジタル化を進めることを決定した。
③ 提携の目的と期待される効果
- デジタル化の促進: 提携により、タノムが提供する受発注・販促サービス「TANOMU」を通じて、食品卸企業と飲食店間の受発注業務をデジタル化し、業務効率の向上が期待出来る。また、これにより、受注ルートの一本化や販売管理システムとの連携が可能になる。
- 市場拡大: インフォマートは、タノムの強みである小規模食品卸企業や生鮮卸企業への販売を強化し、両社のシステムと事業戦略を統合することで、食品業界全体のデジタル化の加速に期待している。
④ 最近の動向(2024年グループ会社化)
- 連結子会社化: 2024年3月13日、インフォマートはタノムの株式を取得し、同社を連結子会社化することを決定した。この動きは、両社のシステムと事業戦略を一体化し、外食産業における受発注プラットフォームの利便性を向上させることを目的としている。
この資本提携は、食品卸業界のデジタル化を進める重要なステップであり、両社の協力によって業界全体の効率化と成長が期待されている。
2)インフォマート社の沖縄県での地域DX貢献の取り組み
① 企業版ふるさと納税(人材派遣型)の導入
インフォマートは、沖縄県庁と協力し、企業版ふるさと納税の人材派遣型を活用したプロジェクトを開始したことを2024年9月に公表した。これは沖縄県庁として初めての試みで、IT人材を一般社団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)43に派遣し、地域のデジタル化を推進することを目的としている。このプロジェクトでは、インフォマートがISCOに社員を派遣し、その人件費を沖縄県に寄附する形をとる。

② リゾテックエキスポの支援
沖縄県では、全産業のデジタル化を促進するために「リゾテックエキスポ」というIT・DXの展示商談会が開催されている。インフォマートはこのイベントにダイヤモンドスポンサーとして参加し、沖縄のデジタル化を支援している。
③ 沖縄営業所の設立
2024年4月には沖縄営業所を開設し、地域の企業に対してデジタル化支援を強化している。「沖縄のDXを前に」というスローガンのもと、BtoBプラットフォームを通じて業務の効率化を図っている。
④ デジタルゆいまーる祭の開催
さらに、インフォマートは沖縄県限定のキャンペーン「デジタルゆいまーる祭」を開始した。このキャンペーンは、企業間のデジタル化を促進し、業務効率化を図ることを目的としている。参加企業には特典が用意されており、地域の企業がデジタル化を進めるための支援を行っている。
これらの取り組みを通じて、インフォマートは沖縄県のデジタル化を推進し、地域経済の活性化に寄与している。
⑤ 沖縄県在住のITコーディネータとの連携
沖縄県在住のITコーディネータから、インフォマートに対して、電子受発注導入予定事業者の紹介と導入連携の事例も出てきている。
3)東京大学とAIを用いた共同研究を開始
① 概要
インフォマートは、東京大学が有する高度なAI研究技術と当社が有する膨大なデータを掛け合わせた共同研究の開始について、12月17日に公表した。企業同士やステークホルダーとのデータ連携・活用は進んでおらず、部分的に共有・流通させることで新たな価値の創造が期待される。同社のデータを活用した学術機関との共同研究は初めて。
② 共同研究の内容
同社が有するデータと外部データを連携させることで、データ価値を見出すことを目的とし、社会発展に資するデータ解析・活用を通じて、企業や自治体の生産性向上を目指す。
データの利活用に焦点を当て、関連情報を取得・整備して構築したビッグデータをAIを用いて分析することで、企業間取引の隠れた構造を明らかにし、構造推定や異分野データ連携技術の開発を通して、産学連携の発展に役立つ新たな知見を得る。


