A15:Tranzax株式会社(2024年度レポート)

活動報告(令和6年度年次レポートより)
企業概要とサービスの進展
Tranzax株式会社は、日本に5社しかない電子債権記録機関を子会社(Tranzax電子債権株式会社)に持つ Fintech系IT企業。電子記録債権は、日本が世界に先駆けて法制化した新しい金銭債権であり、インターネットをはじめ様々なICT技術(情報通信技術、Information and Communication Technology)を活用しているフィンテックの一つで、Tranzaxでは、これを従来の手形や一括支払いに限定することなく、あらゆる売掛債権の電子記録債権化を通じた商流ファイナンスの商品として、金融機関やノンバンクに提供することを通じて、中小・小規模事業者の資金繰り改善に貢献することを目指している。
特に、国・自治体及び金融機関と提携し、国・自治体等の高い信用力に基づいた受注債権や補助金受給権を抗弁権付き(納品検収または補助事業完了まで支払債務を負わないという発注者の抗弁)電子記録債権化することで、中小企業が受発注時点または補助金交付決定時点で必要な運転資金を調達しやすくするPOファイナンス🄬は主力サービスで、POファイナンス🄬の累計取扱高は2024年3月には100億円突破し、現在も主に補助金の繋ぎ資金確保に有効な補助金対応POファイナンス🄬を中心に利用が拡大中。
POファイナンス🄬の仕組み
Tranzaxの主力サービスであるPOファイナンス🄬(PO:パーチェス・オーダー(注文書)資金調達)は、受注と発注の間に金融機関が介入することで、商流において受注側が最も資金ニーズの高い受発注時点において、必要な資金を事前に確保できる仕組み。この方法により、企業は受注案件の実施に必要な経費を前もって準備でき、資金繰りの負担を軽減することが可能になる。特に日本では、受発注の段階で資金を確保できる金融サービスが少なかったため、POファイナンス🄬は新たなスタンダードとして期待されている。
最近の動向
Tranzaxでは、中小・小規模事業者が信用力の高い大手取引先に対して有する売掛債権(確定債権)を低コストで早期資金化するスキームなど、特定の金融機関には属さない独立系フィンテック企業がゆえに可能な、サプライヤー目線の資金支援スキームの多くを確立している。支払者であるバイヤー企業及び国・自治体が「協力・協調」することで、信用リスクを支払い債務者に極力移転させ、資金効率の改善を可能にするしくみを、Tranzaxでは、「協調型オープンサプライチェーンファイナンス」(英語表記:Collaborative Open Supply Chain Finance、略して「CO-SCF」という)と表現し普及に努めている。「オープン」とは、サプライヤー主体のCO-SCFのしくみにメインバンクも含む金融機関等が自由に参加いただけることを意味し、より一層柔軟な資金調達を可能にする。これにより、従来の二者間ファクタリングが抱える高コスト・高リスクの構造を是正し、債権者・債務者・金融機関の三者が協調することで、売掛先の信用力を活用した低コストの資金調達を実現することとしている。
今後の展望
2026年に予定されている紙の約束手形廃止をはじめとする下請法改正により、企業間決済・金融の電子化は一層加速し、Tranzaxの提供する電子記録債権を基盤としたPOファイナンス🄬や、CO-SCFサービスの社会的ニーズは飛躍的に高まることが見込まれる。Tranzaxは、この環境変化を追い風に、中長期的には、受発注・決済・金融の一体化プラットフォームの構築により、電子記録債権を社会基盤の中に「エンベデット」(組み込むの意)する構想を進めており、これにより日本の中小・小規模事業者の生産性向上、資金効率の最適化に資する社会的インフラ(決済の電子化及びエンベデッドファイナンスの機会)を提供することが期待されている。


